ザ・プロジェクト
コンピュータ技術開発の最前線
栗田 昭平 著
定価 1,320円(本体 1,200円+税)
ISBN 978-4-89362-047-7
B6判 並製
200 頁
1988年11月 発売
現在すでに商品化/実用化、あるいは近い将来商品化されるであろうプロジェクトの動機、経過、成果などを徹底的にレポート。日立、ソニー、IBM、富士通、NEC、東芝、リコー。着想から完成にいたるまでを徹底取材。開発秘話、苦労、喜びなどエンジニアの生の声をレポート。スーパープロダクツはこうして生まれた。
- 内容紹介
- 目次
本書の第一部は、現在、商品として市場で売られ成功しているが、あるいは将来、実用化されるに違いないコンピュータ技術の研究開発プロジェクトが、どのようにして発想され、どのような困難を克服して成果を収めるにいたったかを15例取材し、まとめた記事を集めているが、そこに共通して流れているのは開発者のやむにやまれぬ新しいものへの挑戦精神と興味と知識欲、それに楽観である。長い苦しい研究の過程があっても、そこは好きな道だから、わいわい、がやがや言いながらのり切っているところが共通している。
また、15のプロジェクトに反映しているのは、1990年代のコンピュータのアーキテクチャを形成する要素技術とみられる、マルチプロセッサによる並列処理、自然言語処理、VLSI、AIソフトウェアの各技術である。
それらが反映する大きな流れを読者に知ってもらうために、第二部では「ミニスーパーコンピュータ」、「商業化並列処理コンピュータ」、「光コンピュータ」、「ニューロコンピュータ」の動向を解説した。これらの動向からいえることは、1990年代はどういう角度から見ても、極言すれば「データ処理と情報のファイリング」を行ってきたフォン・ノイマン型コンピュータ利用の時代から「人間の知的な活動を支援する推論するコンピュータ」の時代へ移るということである。
(本書プロローグより抜粋)
- プロローグ
- 第1部 プロジェクト
- 次世代OA環境を創造するクリエイティブWS―日立製作所「2050」「2020」
- 新市場開拓をねらう高性能EWS―ソニー「NEWS」
- 並列処理研究の道具となる並列処理WS―日本IBM東京基礎研究所「TOP-1」
- 先取りの社風が生んだ高速並列処理マシン―富士通研究所「CAP」
- ミニスーパー市場をリードする並列処理マシン―アライアントコンピュータシステムズ「FXシリーズ」
- ケタ違いの世界最高速スーパーコンピュータ―ETAシステムズ「ETA10シリーズ」
- 世界最高性能を誇る自動指紋認識システム―日本電気「AFIS」
- 自らの手で開発した一等航空整備士養成ツール―日本航空「B767用CPT」
- ファジー理論で新境地開いた音声認識システム―リコー「BTSP」
- 知識情報処理の限界に挑む機械翻訳システム―富士通「ATLAS・Ⅱ」
- 世界最高速のRISCアーキテクチャ・プロセッサ―東芝「AIプロセッサ」
- ユーザの立場に立ったES構築ツール―エー・アイ・ソフト「創玄」
- 独創的なトータルCAIシステム―日本ユニシス「コンピューデント」
- ユニークな最短時間経路検索システム―ヴァル研究所「駅すぱあと」
- 日本と台湾の技術協力で開発した高機能ICE―コアグループ「C-ICE」
- 第2部 コンピュータ新時代の潮流
- ミニスーパーコンピュータ市場を創造する
- 商業化並列処理コンピュータの登場
- 研究熱高まる光コンピュータ
- ニューロコンピュータの衝撃
- エピローグ