プロジェクトリーダーから(TRONWARE VOL.77)
- 好スタートを切ったT-Engineフォーラム
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6月24日にユビキタス・コンピューティング環境のための標準開発環境を提供するT-Engineプロジェクトを推進するため、T-Engineフォーラムが設立された。当初設立の主旨に賛同して参加してくれた企業が22社だったのが、8月末の時点で50社を超すまでに会員が増加してきた。T-Engineプロジェクトが目指すさまざまなミドルウェアの流通やeTRONによる強固なセキュリティアーキテクチャなどによる賛同が得られた結果であると思っている。
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現在、T-Engineプロジェクトには、活動に積極的に参加してくれるA会員とともにハードウェアプラットフォームを作るプロジェクト、基本OSであるT-Monitor、T-Kernelを開発し開発環境を整えるプロジェクト、ミドルウェアを開発するグループやユビキタス・コミュニケータを開発するグループなどいくつかのグループに分かれて活動を活発に行っている。
開発された仕様は、遠からず誰にもオープンになる。前号で述べたように、12月をメドに続々と製品が現れてくる予定だ。第1弾として日立製作所のSH3-DSP(SH7727)を使ったT-Engineボードが発売された。一般の方でもパーソナルメディアから「T-Engine/SH7727開発キット」を入手できる。これによりT-Engineボードと標準開発環境が手に入り、直ちに開発を始めることができるので、ミドルウェア流通の活発化が期待できる。
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そのほかにも、三菱電機がM32Rを搭載したμT-Engineボード、11月にはNECがMIPSを搭載した標準T-EngineボードおよびμT-Engineボード、また横河ディジタルコンピュータからはARM版が発売される予定であり、他のCPU上で動作するソフトウェアも、再コンパイルすることにより、それぞれのCPU上で動作する。
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最近、T-Engineフォーラムでは、バーチャルカンパニー構想という「プロジェクトに参画してくれている会社すべてが1つの大きな仮想会社」というものを打ち上げているが、ミドルウェアの流通が可能になれば、個々のプロダクト単位でのミクロなカンパニーアライアンスを進めることができ、無駄を減らし、利益を得る構想が現実化する。T-Engineフォーラム、なかなか良いスタートを切った。12月ごろにさらに加わる今後の動きも合わせて「プロジェクトリーダーから」も報告していこうと思っている。
坂村 健
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