T-Engineロゴ







◇写真

◇パンフレット

◇補足資料

2006年11月15日

パーソナルメディア株式会社
〒141-0022 東京都品川区東五反田1-2-33 白雉子ビル
TEL.03-5475-2185 FAX.03-5475-2186
E-mail:te-sales@personal-media.co.jp
(T-Engineのウェブサイト)http://www.t-engine4u.com/


FPGA版PowerPCコアとLANを搭載した
T-Engine開発キットを新発売


 

組込みシステムの総合ソリューションを提供するソフトウェアメーカーのパーソナルメディア株式会社(代表取締役:泉名達也、本社:東京、電話:03-5475-2185、資本金 1,000万円)は、FPGA版PowerPCコアとLANを搭載した「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」の開発に成功し、2007年第1四半期より出荷いたします。本製品の価格は税込312,900円(本体価格298,000円)で、2006年12月5日よりパーソナルメディアのウェブショップを通じて受注を開始いたします。また、本製品の試作機は、11月15日(水)〜17日(金)にパシフィコ横浜で開催される「Embedded Technology 2006/組込み総合技術展」 (http://www.jasa.or.jp/et/)のパーソナルメディアブース(ブース番号:C-14)、および12月5日(火)〜7日(木)に東京国際フォーラムで開催されるTRONSHOW2007(http://www.tronshow.org/)のパーソナルメディアブース(ブース番号:3-1)にて展示いたします。

「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」の発売にあたっては、次の3点について大きな意義があります。

  (1) FPGAベースのCPUで初めての標準T-Engine(*1)であること
プログラム可能なハードウェアとも言えるFPGA(*2)を活用することにより、ユーザの意図する組込み機器を短期間で開発できます。本製品では、CPU自身も大規模で高性能なFPGA(Xilinx Virtex-4)の上のIPコアとして実装することにより、極めて柔軟性の高いシステムを実現しました。FPGA上に実装したCPUを利用したT-Engine関連製品としては、既に「μT-Engine/Nios II開発キット」が発売されておりますが、グラフィック画面やMMU(*3)など高度な機能を持つ標準T-EngineをFPGAベースで実現したのは、「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」が初めてです。

  (2) LANを標準搭載した初めての標準T-Engineであること
昨今の組込み機器はネットワークに接続されるものが多く、開発評価用ボードにおいても、LANの機能は必須に近いものとなっています。T-EngineではLAN機能がオプションとなっており、必要に応じて拡張ボードを増設する形態になっておりますが、「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」ではCPUと同じFPGA内に搭載したLAN制御用のIPを利用して、LANを標準搭載としました。なお、TCP/IPプロトコルスタックおよびLANドライバは、別売りのオプションソフトウェアである「PMC T-Shell/PPC-V4FX開発キット」に含まれます。

  (3) T-Kernelを初めてPowerPCコアに移植したこと
パーソナルメディアでは、既に多くのCPUにT-Kernelを移植した実績がありますが、本製品の開発ではPowerPC 405のコアに「PMC T-Kernel」の移植を行いました。その結果、ほぼ全ての32ビット組込み向けCPUの上で、「PMC T-Kernel」が動作するようになりました。

本製品に含まれる標準T-Engineボードは、ザイリンクス株式会社と菱洋エレクトロ株式会社が共同開発しました。「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」の発売にあたり、両社から次のようなコメントをいただいております。
ザイリンクス株式会社 マーケティング部 マネージャー 西村 憲二 様
当社のFPGA、Virtex-4 FX60にはPowerPCコア以外にも高機能なIPを数多く搭載できますが、それらの機能を実際の組込み機器で活用するには、ドライバ等の制御用ソフトウェアの整備が不可欠です。T-Kernelを搭載し、T-Engineベースの豊富なデバイスドライバやミドルウェアをすぐに利用できる「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」は、組込み制御用ソフトウェアの開発効率向上に大きく貢献します。

菱洋エレクトロ株式会社 半導体応用技術センター 部長 石田 隆 様
組込み機器の開発では、ハードウェア、ソフトウェアとも多様な要求を満たす必要があります。ハードウェアの多様性に応える効率よいソリューションがFPGAであるとすれば、ソフトウェアの多様性に応えるのがT-KernelをはじめとするT-Engineプロジェクトの成果です。T-EngineやT-Kernelを熟知したパーソナルメディアと、ザイリンクス社および当社との強力なパートナーシップにより、FPGAベースの新しい組込み市場を開拓していきたいと考えます。

パーソナルメディアでは、T-Kernelの移植やサポートサービス、T-Engine用デバイスドライバやミドルウェアのご提供、「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」をはじめとする各種のT-Engine開発キットの発売やT-Engineを用いたトータルソリューションのご提供などにより、今後も積極的にT-Engine関連ビジネスを推進し、ユビキタス機器の開発効率向上に貢献したいと考えております。


  (*1) T-Engineプロジェクト(補足資料参照)では、OSなどソフトウェアの仕様だけではなく、開発評価用ボードの機能やボードサイズについても規定しています。この規定には、標準T-EngineボードとμT-Engineボードの2種類があります。標準T-Engineボードがグラフィック画面やタッチパネルなどのユーザインタフェースを持つ機器を想定しているのに対して、μT-Engineボードはこういったユーザインタフェースを持たない制御用のコンピュータを想定しています。

  (*2) FPGA: Field Programmable Gate Array の略です。

  (*3) MMU: Memory Management Unit の略です。


◇写真
「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」のCPUボード写真 [2,414Kバイト]


◇パンフレット
T-Engine/PPC-V4FX開発キット」のパンフレット (PDF版)[300Kバイト]

 
■補足資料

◇「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」の製品仕様

表1.「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」のハードウェア構成

 CPU Xilinx Virtex-4 FX60内蔵PowerPC 405, 300MHz
フリーロジックセル:35,000LCs
(システムゲート換算で約70Kゲート)
 フラッシュメモリ  16Mバイト
 SDRAM 128Mバイト
 入出力I/F USB(Host), PCMCIAスロット, シリアル, eTRONチップI/F,ヘッドフォン出力, マイク入力, 拡張バスI/F(PCI互換)
 その他の機能 RTC, アナログRGB出力(*1), LAN(2ポート)(*1),JTAG-ICE I/F(*1)
 電源 ACアダプタ
 外形寸法 120mm×75mm(突起物を除く)

(*1) 付属のコネクタボードに搭載
 
 
表2.「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」のソフトウェア構成

【ターゲット(T-Engineボード)側ソフトウェア】
 T-Monitor PMC T-Monitor
 T-Kernel PMC T-Kernel(MMU対応版)
 T-Kernel Extension  PMC T-Kernel Extension(プロセス管理、ファイル管理など)
 デバイスドライバ 時計(RTC)、コンソール(シリアル)、スクリーン(LCD)、システムディスク(ATA,CFカード、USB)、 KB/PD(キーボード、タッチパネル、マウス)
    ※ソースプログラム付
 サンプルソフト 簡易ディスク区画作成(hdpart)、ディスクフォーマット(format)、ディスクダンプ(dd)、ファイルの内容比較(cmp)、簡易行エディタ(ed)
    ※ソースプログラム付

【ホスト(Windows)側開発環境】
 コンパイラ GNU C/C++コンパイラ(T-Kernel対応済み)
 デバッガ GDB(ソースレベルデバッガ)
 ライブラリ ANSI Cライブラリ、T-Kernel関連ライブラリなど

【付属ドキュメント】
 マニュアル T-Kernel仕様書、ライブラリ説明書、開発環境説明書など

 
 
表3.「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」の別売りオプション品

【LCDボード】(税込標準価格47,250円)
  • 「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」のCPUボードに接続可能なLCDボード。
【T-Engine開発ベンチ】(税込標準価格21,000円)
  • アクリル板や支柱を使ったT-Engine用の台(CPUボードや複数の拡張ボードをスタックして収容可能)と、標準T-Engineボードを携帯しやすくするアクリル製カバーを含んだ治具セット。
【PMC T-Shell/PPC-V4FX開発キット】(税込標準価格102,900円)
  • GUI機能を簡単に実現できるT-Engine用のミドルウェア。TCP/IPプロトコルスタックおよびLANドライバも含みます。

 
 
◇T-Engineとは
あらゆるモノにコンピュータが入り、それらがネットワークで接続され、互いに協調動作して私たちに利便性や安全性、快適性を与える「ユビキタス・コンピューティング環境」を実現するためには、組込み機器の制御用ソフトウェアの開発効率向上が不可欠です。T-Engineプロジェクトは、リアルタイムOS「T-Kernel」を中心としたソフトウェアの仕様を標準化することにより、組込み向けソフトウェアの流通性や再利用性を高め、開発効率を大幅に向上させることを目的としたプロジェクトです。2006年11月現在で約500社の企業や団体が参加する「T-Engineフォーラム(会長坂村健・東京大学教授/YRPユビキタス・ネットワーキング研究所所長)」が中心となって活動しており、既に多くの成果を発表しています。

◇パーソナルメディアとT-Engineプロジェクト
パーソナルメディアは、組込み機器のためのオープン開発プラットフォームであるT-Engineプロジェクトに積極的に参加し、開発から技術サポート、販売から出版まで、幅広い事業を展開しています。TRONの25年間の歴史の中でパーソナルメディアが蓄積した高度な技術力とノウハウ、および協力各社との緊密なパートナーシップにより、組込みシステム全般にわたるソリューションをご提供します。

具体的には、リアルタイムOS「PMC T-Kernel」のポーティングやチューニング、組込み向けデバイスドライバ「PMC T-Drivers」の開発や移植、多漢字対応のGUIミドルウェア「PMC T-Shell」や各種プロトコルスタック、ウェブブラウザなどの移植やご提供、技術セミナーや技術サポートなどの業務を中心に、多くのT-Engine応用製品の開発に関わり、その実績を高くご評価いただいております。
また、ソフトウェアの開発がすぐに始められる開発評価用ボードとして、各種CPUを搭載した「T-Engine開発キット」や安価なT-Engineアプライアンスである「Teaboard」、超小型の組込み向けコンピュータ「Teacube」、拡張ボード類やオプション品など、幅広い組込み向け製品をご提供しております。

◇参考情報、リンク集
T-Engineフォーラム
    http://www.t-engine.org/
ザイリンクス株式会社
    http://www.xilinx.co.jp/
菱洋エレクトロ株式会社
    http://www.ryoyo.co.jp/
パーソナルメディアのT-Engineソリューション
    http://www.t-engine4u.com/


TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
TRON, BTRON, ITRON, eTRON, T-Engine,μT-Engine, T-Monitor, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。
超漢字はパーソナルメディア株式会社の商標です。
その他の商品名などは各社の商標または登録商標です。
本製品のT-Engineボードは、横河ディジタルコンピュータが開発しました。
本資料に記載された製品の仕様、外観イメージ、価格などは、発表日現在のものです。最終的に販売される製品では、変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。

以上

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