導入事例 : アズビル株式会社様

コンプライアンス研修の受付業務、出席管理で導入
登録者数は約5000人
スピーディーな受付を実現し、集計作業の効率化にも貢献

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会社情報

アズビルロゴ

会社名:アズビル株式会社
創業:1906年(明治39年)12月1日
設立:1949年(昭和24年)8月22日
所在地:東京都千代田区丸の内2丁目7番3号
資本金:105億2,271万6,817円
年商:2,548億1千万円(2017年3月)
従業員数:5,070名/連結:9,290名(2017年3月31日現在)

azbilグループは、「人を中心としたオートメーション」のグループ理念のもと、"計測と制御"の技術を活用したビルディングオートメーション事業、アドバンスオートメーション事業、ライフオートメーション事業の3つを推進しています。各分野において、企画・開発から販売・メンテナンスまで、お客さまのニーズに迅速に対応する一貫体制を確立し、「安心」「快適」「地球環境への貢献」と新たな価値を創造する「達成感」を提供しています。

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「パソコンの電源を入れてすぐに使えるといった使い勝手の良さを評価しました。」

コンプライアンス研修の取り組みについてお聞かせください。

〈田中様〉全社員を対象に専任の講師が直接現場に赴き、講義とグループ討議を重ね、違反を起こさない風土造りを行っています。その成果もあり社員への意識調査結果によると、ここ数年、コンプライアンスの浸透度がほぼ100%という結果が続いています。とはいえ、時間が経つと忘れてしまうものですので、反復教育にも力を入れています。

研修の出席管理はどのようにしていたのでしょうか。

〈田中様〉以前は、用意した登録用紙に所属や氏名、社員番号などを書いてもらっていました。ただ、さすがにこれでは集計や管理がたいへんということで、既に入退室管理やコピー機の利用管理などで導入済みだったFeliCaのICカードと、そのFeliCaのIDを読み取るマクロをExcelに組み込んだ簡単な出席管理システムを使用していました。

その出席管理システムから、eタッチレコーダーへ切り替えるきっかけは何だったのでしょうか。

〈田中様〉Excelによる出席管理システムの導入により、集計業務の負担は大幅に減ったのですが、しばらくするといくつかの課題に直面しました。
例えば、組み込んだマクロがExcelのバージョンによって動かない場合があり、泣かされました。さらに大きな問題が、Windows XPからのWindows 7への切り替え時期に発覚しました。Windows XPで動いていたExcelのマクロがWindows 7で動かなかったのです。このままでは、新たに始める研修に間に合いそうもないということになり、ほんとうに困りました。
もうひとつは処理速度です。集計用のExcelをインストールしたPCに市販のカードリーダーを接続して使っていたのですが、読取反応速度が遅く、受付に長蛇の列ができてしまったのです。出席者からも不満の声が聞かれました。そのため、100人以上が出席する規模の大きい研修では、受付に2台のPCを持ちこんで混雑解消に努めました。
そのほかにも、Excelのマクロが意図通りに動作せずに、急遽、出席用紙で対応することもしばしばありました。とにかくきちんと動作させるのが大変でした。常に不安を抱えながら運用していた、というのが正直な気持ちです。
そうした課題を解消するために、より良いシステムがないかと探していたところ、ウェブサイトで見つけたのがeタッチレコーダーでした。

eタッチレコーダーのどのような部分が目に止まったのでしょうか。導入のきっかけになった点についてお聞かせください。

〈田中様〉我々の目的は、既存の打刻システムからの乗り換えですから、複雑な機能は必要ありませんでした。そうしたレコーダー機能に特化した製品がe タッチレコーダーだったのです。パソコンの電源を入れてすぐに使えるといった使い勝手の良さを評価しました。
コスト面も評価した点の1つです。他のサプライヤーが提供するシステムやソフトウェアは、学校向けが多く、レコーダー機能だけでなく、名簿管理や出席管理といった機能が搭載された統合システムがほとんどでした。そうすると必然的にコストも高くなり、何百万という費用がかかります。これまではExcel の利用でしたので、コスト的にはほぼゼロでした。そのため、なるべくコスト負担の少ないものを選びたかったということがあります。
Windowsではなく、TRON系のOSを採用していた点にも惹かれました。
会社として導入するわけですから、本来は複数の製品を比較して検討すべきところですが、他に同類の製品が見つからなかったので、特に比較した製品はありません。

他の製品と比較しないまま決まったということは、eタッチレコーダーの導入はスムーズだったのでしょうか。

〈田中様〉いえ、そうではありませんでした。eタッチレコーダーを見つけたまではよかったのですが、その後、乗り越えなければいけない壁がありました。

暗号方式

まず、当時のe タッチレコーダーが採用していた暗号方式が問題となりました。当社では、情報を入れるデバイスには、高度な暗号化をしなければいけないことになっています。導入を検討し始めた当時(2014年2月)のeタッチレコーダーは、暗号化の機能を持っていたものの、当社の規定に合致するものではありませんでした。そこで、パーソナルメディア社に相談して、経済産業省の推奨でもあったAESという暗号方式をeタッチレコーダーに搭載していただいたのです。この暗号方式の変更がなければ、採用することはなかったですね。

※補足
eタッチレコーダーでは、2014年4月に暗号アルゴリズムを「Blowfish」から「AES」に切り替えました。「AES」は、総務省や経済産業省などで組織される電子政府の暗号セキュリティに関する専門機関「CRYPTREC」が、2013年に示した調達基準の1つ「電子政府推奨暗号リスト」に掲載されている暗号アルゴリズムです。

eタッチレコーダーの暗号アルゴリズム強化に関する当時のプレスリリース
ICカード打刻システム「eタッチレコーダー」に電子政府推奨の暗号アルゴリズム「AES」を採用

拡張文字への対応

eタッチレコーダーのテスト機を借りて、事前評価しようとした時にもトラブルがありました。
利用者名簿を登録するとき、登録できない文字があったのです。パーソナルメディア社に調べてもらうと、登録しようとした名前にIBM拡張文字が使われていることがわかりました。e タッチレコーダーの当時のバージョンでは、このIBM拡張文字に対応していなかったのです。この問題については、すぐに改良版を用意していただき、無事に解決しました。

全社員が関わるようなシステムの場合、一般的には情報システム部門の主導で導入するケースが多いと思われます。御社のようにユーザー部門が選定するケースは珍しいのではないでしょうか。

〈田中様〉それは、アズビルがエンジニアリングの会社であることと関係しています。総務部だからといってみなが文系の社員というわけではありません。古い話になりますが、電子メールの創成期には社内のあちこちに各部署が立てたサーバーがありました。部署に関係なく、そういったシステムの導入を積極的に行っていこうという自主性を重んじる企業風土があるのです。新しいシステムの導入にネガティブなイメージを持っていないのです。
もちろん、何でも自由に導入できるというわけではありません。情報セキュリティの部門に話を通し、アドバイスをもらいながら導入を進めています。セキュリティに関しても、かなり厳しいルールが定められています。eタッチレコーダーの導入時にも、暗号方式などについて数々の指摘や助言を受けました。そういう視点で考えると、間接的ではありますが、eタッチレコーダーの導入も情報セキュリティの部門の管理下にあるといってよいと思います。

あらためてご利用シーンについてお聞かせください。

〈田中様〉年間で200コマのコンプライアンス研修を実施しています。そのほとんどの受付でeタッチレコーダーを使っています。参加者が200人近くの大規模研修の場合、複数のeタッチレコーダーを用意することもあります。
受付でICカードをカードリーダーにかざすと受付完了です。未登録やICカードを忘れた社員は、用紙に書いてもらうことで対応しています。
eタッチレコーダーで記録されたデータは、翌週の火曜日までに研修参加を管理するWebシステムにアップロードされ、社内のブラウザから全社員の出席状況が把握できるようになっています。

ご利用イメージ

出席管理・受付管理ツールとして3年以上「eタッチレコーダー」をご利用いただいてきました。率直な感想をお聞かせください。

〈田中様〉やはりパソコンの電源投入後すぐに使えるというのはいいですね。以前のシステムでは「今日は大丈夫かな」という不安が常にあって、手書きのための記入用紙を常に小脇に挟んでいました。そうした不安から解消されたのは本当に助かります。また、サポート面での不安も解消されました。
eタッチレコーダーにはちゃんとしたサポートがあるので安心です。

〈谷本様〉登録名簿のデータさえきちんと準備できていれば、登録作業は簡単ですし、日々の操作もとても楽です。

〈田中様〉受付は研修開始間際の短時間に集中する傾向があります。eタッチレコーダーの導入後は、タッチの反応がよいので、列がスムーズに流れるようになりました。

セミナーの様子

eタッチレコーダーの運用でお困りになったことやご不満な点はありますか。

〈谷本様〉eタッチレコーダー用のパソコンを、研修を開く現地の事務所に用意してもらうことがあります。その場合に、USBメモリからの起動を可能にするために、BIOSの設定を変更する必要があるのです。つい先日も、USBの設定をUSB 3.0からUSB 2.0に変えなければ起動しないことがありました。設定変更そのものは難しい操作ではないのですが、どのキーを押すとBIOS画面が立ち上がるのか、機種によって押すべきキーが異なるので、ウェブサイトで調べるのに時間がかかります。

〈田中様〉パソコン内蔵のWebカメラの影響により、eタッチレコーダーが起動しなかったこともありました。この時は、なかなか原因がつかめず、BIOS設定でWebカメラ機能をオフにするという解決策にたどり着くまで時間がかかりました。一度分かって設定してしまえば、あとはスムーズに動作するので問題ないのですが、できれば、新しいパソコンで使い始める際の設定が、もっとスマートになるとよいですね。

〈谷本様〉メンバー登録時のエラーメッセージが1件ずつしか表示されない点を改善してほしいですね。たとえば「○○番のAさんが不正です。」というメッセージが出たので、そこを修正して解決と思ってメンバー登録しなおすと、こんどは「××番のBさんが二重登録です。」といったエラーメッセージが表示されます。間違いが3箇所あった場合には、できれば、3箇所とも同時に表示してほしいですね。1件ずつエラーを修正していくのは面倒です。

〈田中様〉たとえば、eタッチレコーダー内にエラー情報を保存することができて、打刻データと同じように、後からそのエラー情報をまとめて出力して表示できるような機能があれば便利だと思います。

eタッチレコーダーへの要望やコンプライアンス研修の課題をおしえてください。

〈田中様〉設定情報や登録名簿のファイルはCSV形式ではく、Excel形式で扱うことが多いので、できれば、Excelファイルをそのまま扱えるような仕様になっていると便利だと思います。
また、USBメモリ経由ではなく、Wi-Fi経由でデータ出力ができるようになっていれば便利だと思います。理想はサーバー、Webシステムへの直接出力です。
研修に関していうと、講習会の空き情報の管理方法や、講習会場に変更があった場合の対応方法を改善したいと考えています。

【導入製品】 eタッチレコーダー・スタンダード

この記事は2017年6月の取材をもとに書かれたものです。
閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
商品名等は各社の商標や登録商標です。

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