2025年10月7日

ニール・スティーヴンスン著『ターミネーション・ショック』が
パーソナルメディアより10月15日発売
~ 地球温暖化が深刻化した近未来が舞台の気候変動フィクション ~

パーソナルメディア株式会社(代表取締役:松為彰、本社:東京、電話:03-5749-4932、資本金 1,000万円)は、『スノウ・クラッシュ』で“メタバース”という言葉を生み出した人気SF作家ニール・スティーヴンスンが2021年に発表した話題作「Termination Shock」の邦訳版『ターミネーション・ショック』を発売いたします。

『ターミネーション・ショック』は、地球温暖化が深刻化した2030年頃の近未来を舞台にした近未来小説で、気候変動フィクション(Cli-Fi:Climate Fiction)とよばれるジャンルに属します。物語の中に気候に関する科学的な事実を取り入れ、読者に対して気候変動問題への認識やその解決策への模索を提起するものが多く、欧米では数多くの作品が刊行されています。

表題の「ターミネーション・ショック(Termination Shock)」とは、一度開始されたソーラー・ジオエンジニアリングプロジェクトを突然中止した場合に、気温が急激に上昇して引き起こされる壊滅的な影響を指す科学用語です。このタイトルは、気候変動という問題そのものだけではなく、それに対する緊急の「対症療法」にも大きなリスクがあるという、この問題の複雑さを示しています。

気候変動をテーマとするSF小説として、当社が2023年に邦訳版を刊行したキム・スタンリー・ロビンスン著『未来省』(The Ministry for the Future)があります。海外では『ターミネーション・ショック』と『未来省』を比較した書評や学術論文などもあり、この両作品がCli-Fiを代表する人気作として高く評価されています。

なお本邦訳版では、坂村健(東京大学名誉教授)が巻末解説を執筆し、本作品の概要や位置づけを手早く知るための一助とするべく、この大作を論考しています。

『ターミネーション・ショック』は紙書籍版と電子書籍版をご用意しております。全国の書店、販売店、オンライン書店、電子書籍配信サイトで2025年10月15日よりご購入いただけます。

『ターミネーション・ショック』書誌情報

『ターミネーション・ショック』
  • ニール・スティーヴンスン 著
  • 坂村 健 解説
  • 山田 純 訳
紙書籍版
  • 四六判 並製 696ページ
  • 定価 3,080円(本体価格 2,800円+税10%)
  • ISBN 978-4-89362-416-1 C0097
電子書籍版
  • EPUB版、リフロー型
  • 定価 2,926円(本体価格 2,660円+税10%)

『ターミネーション・ショック』内容紹介

――地球を冷やす禁断の技術 破天荒な英雄たちによる地球改造の「神話」――

物語はテキサスの地方空港を舞台に始まる。ネーデルラント(オランダ)の女王サスキア自ら操縦する小型機が、滑走路に乱入した野ブタと衝突して不時着。その場に居合わせたのが、テキサスで巨大な野ブタを追っていたハンターのルーファス。サスキアをその場から助け出すと、彼女と行動を共にすることになる。

世界が気候変動による海面上昇や異常気象に苦しむ中、テキサスの億万長者であるT.R.シュミット博士は、「世界最大の銃=ビッグガン」とよばれる巨大な装置をメキシコ国境近くに建設し、二酸化硫黄を成層圏に継続的に散布する計画を進めていた。これは1991 年のフィリピン・ピナトゥボ山噴火が一時的に地球を冷却した現象を模倣したもので、太陽光を反射して地球の気温を下げることを目的としている。この計画は、世界の政府や科学界が気候変動対策に合意できない状況下でT.R.が独断で行っているものだった。彼は、オランダ、ヴェネツィア、太平洋の島々など、海面上昇の脅威に晒される低地国家や地域の有力者や資産家を招いた発射実験によって、計画を既成事実化してしまう。

T.R.のソーラー・ジオエンジニアリング計画は、一部の地域を救う一方で、別の地域の天候パターンを乱すなど、意図せぬ結果をもたらす可能性があった。こうして、計画の支持者と反対者の間で国際的な対立が激化していく。登場人物たちはそれぞれの立場で地球規模の危機に立ち向かうことになる。

舞台は、テキサス、オランダ、ヴェネツィア、ヒマラヤ山脈、インドネシアなど世界各地に及ぶ。それぞれの地で繰り広げられる物語は、複雑なプロットと個性的なキャラクターに彩られ、登場人物のルーツや文化的・政治的背景と複雑に絡み合って進んでいく。

著者紹介

ニール・スティーヴンスン(Neal Stephenson)
1959年アメリカ生まれ。現代アメリカを代表するSF作家の一人。
ヒューゴー賞、クラーク賞、ローカス賞、プロメテウス賞などを複数回受賞。
テクノロジー業界に影響を及ぼした作品も多く、メタバースという言葉を生み出した『スノウ・クラッシュ』、暗号資産を予見する『クリプトノミコン』、ナノテクノロジーが発達する未来を描いた『ダイヤモンド・エイジ』、月崩壊と人類存続を描く『七人のイヴ』などで知られる。『スノウ・クラッシュ』は米TIME誌のAll-TIME 100 Novels(史上最高の英語小説100選)にも選ばれた。
解説:坂村 健(さかむら けん)
電脳建築家、工学博士、東京大学名誉教授、INIAD(東洋大学情報連携学部)創設者、同cHUB(学術実業連携機構)機構長。
オープンなコンピュータアーキテクチャTRONを構築。家電製品、車のエンジン制御、宇宙機の制御などに世界中で多数使われている。
IEEE Life Fellow、IEEE Golden Core Member。
2003年紫綬褒章受章、2006年日本学士院賞、2015年ITU150 Award、2023年IEEE Masaru Ibuka Consumer Technology Award受賞、2024年瑞宝中綬章受章。2023年TRONリアルタイムOS、2024年TRON電脳住宅がそれぞれIEEE Milestone認定。
訳者:山田 純(やまだ じゅん)
INIAD cHUB(東洋大学情報連携学部 学術実業連携機構)副機構長、INIAD客員教授。

図表

『ターミネーション・ショック』書影(帯なし)
図1. 『ターミネーション・ショック』書影(帯なし)

 

『ターミネーション・ショック』書影(帯あり)
図2. 『ターミネーション・ショック』書影(帯あり)

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