2023年9月11日
気候変動フィクション『未来省』がパーソナルメディアより9月19日発売
キム・スタンリー・ロビンスン著「The Ministry for the Future」の邦訳
~ 電子書籍版は9月15日より先行発売 ~
パーソナルメディア株式会社(代表取締役:松為彰、本社:東京、電話:03-5749-4932、資本金 1,000万円)は、〈火星三部作〉などで知られるSF作家キム・スタンリー・ロビンスンの新作「The Ministry for the Future」の邦訳版『未来省』を発売いたします。
『未来省』は現代から2050年代までの気候変動問題をめぐる近未来小説であり、気候変動フィクション(Cli-Fi:Climate Fiction)とよばれるジャンルに属します。物語の中に気候に関する科学的な事実を取り入れ、読者に対して気候変動に関する問題を提起するものが多く、欧米では数多くの作品が刊行されています。本書は、地球工学(ジオエンジニアリング)、自然環境対策、デジタル通貨、経済政策などの要素が盛り込まれた大作です。
原著の「The Ministry for the Future」は2020年10月に発表されて以降、バラク・オバマ米元大統領やMicrosoft 共同創業者のビル・ゲイツ氏などが「読むべき本の1冊」として紹介するなど、世界中で話題になりました。また、米英の主要誌からも高い評価を受けています。
なお本邦訳版では、坂村健(東京大学名誉教授)が巻末解説を執筆し、この大作を論考しています。
『未来省』の紙書籍版は2023年9月19日より全国の書店、販売店、オンライン書店でご購入いただけます。電子書籍版は2023年9月15日より各電子書店サイトでご購入いただけます。
『未来省』書誌情報
- 『未来省』(みらいしょう)
-
- キム・スタンリー・ロビンスン 著
- 坂村 健 解説
- 瀬尾 具実子 訳
- 山田 純 科学・経済監修
- 紙書籍版
-
- 四六判 並製 600ページ
- 定価 3,300円(本体価格 3,000円+税10%)
- ISBN 978-4-89362-408-6 C0097
- 電子書籍版
-
- EPUB版、リフロー型
- 定価 3,135円(本体価格 2,850円+税10%)
『未来省』内容紹介
物語は、2週間で2,000万人の犠牲者を出すインドでの衝撃的な大熱波のシーンで始まる。この少し前の2025年1月に、通称「未来省」が、COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)の承認のもとに設立される。
インドの大熱波以降も世界各地で熱波や洪水などの異常気象が頻発。未来省のもとにはありとあらゆる問題が報告される。未来省のトップに就任したメアリー・マーフィーと世界中の各分野の専門家から構成されるメンバーたちが、科学技術、経済・金融などのあらゆる手段を総動員して、解決に立ち向かう姿が克明に描かれる。そして、そのメアリーの人生に大熱波からかろうじて生還した男性フランク・メイが絡み合っていくところが、もう一つのストーリーになっている。
本書は小さな106の章から構成されている。最初から最後まで軸となるのは未来省の闘いとメアリー=フランクの物語だ。しかし、それ以外にも多くの人物が登場し、世界で発生するさまざまな出来事や人々の想いが積み上げられていくオムニバス的な作品でもある。
この小説で実行される科学技術、経済・金融、社会体制の具体的な手段は、すでに実在する技術や提案だったり、部分的に実施されていたりするものが多い。本書は、気候変動問題に対して、今世界で何が試みられているのかを知ることができる小説にもなっている。
著者紹介
- 著者:キム・スタンリー・ロビンスン(Kim Stanley Robinson)
- 1952年アメリカ生まれ。現代アメリカを代表するSF作家の一人。
特に〈火星三部作〉で知られ、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞などを複数回受賞。気候変動、環境問題をテーマにした作品に『2312』『New York 2140』がある。
本書刊行後も気候変動問題に関して積極的な発信を続け、2021年開催のCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)ではパネルセッションに招かれ発言している。
スイス・チューリッヒ滞在を経て、現在、アメリカ・カリフォルニア州在住。 - 解説:坂村 健(さかむら けん)
- 電脳建築家、INIAD(東洋大学情報連携学部)学部長・教授、工学博士、同cHUB(学術実業連携機構)機構長、東京大学名誉教授。
オープンなコンピュータアーキテクチャTRONを構築。家電製品、車のエンジン制御、宇宙機の制御などに世界中で多数使われている。
IEEE Life Fellow、IEEE Golden Core Member。
2003年紫綬褒章、2006年日本学士院賞、2015年ITU150 Award、2023年IEEE Masaru Ibuka Consumer Technology Award受賞。2023年TRONリアルタイムOSがIEEE Milestone認定。 - 訳者:瀬尾 具実子(せお くみこ)
- 英日翻訳者。実務翻訳と並行して、ミステリやSF作品の出版翻訳も手掛ける。
ブログ「つぎはコレ読みたい ~積ん読は積ん徳なり~」(https://kumyam.hatenablog.com/)更新中。 - 科学・経済監修:山田 純(やまだ じゅん)
- INIAD cHUB(東洋大学情報連携学部 学術実業連携機構)副機構長、INIAD客員教授。
図表
補足情報
- パーソナルメディア株式会社について
- パーソナルメディア株式会社は、1980年6月の創立以来、「パーソナル」な「メディア」として役立つコンピュータの開発を目標に、TRON(トロン)の成果を活かしたパソコン用ソフトウェア「超漢字」や、T-Kernel(ティーカーネル)を使った組込みシステムなどの開発、販売を行ってきた技術系の会社です。1985年4月には、「メディア」追求の一環として出版事業に進出し、コンピュータやソフトウェアの解説書、コンピュータ技術や歴史、文化を紹介した理工系の一般書などを出版してきました。
コンピュータ関連の技術書として、隔月刊のTRON&オープン技術情報マガジン 「TRONWARE」をはじめ、『基礎から学ぶ組込みμT-Kernelプログラミング リアルタイムOSの初歩から実践テクニックまで』『C++とJavaでつくるニューラルネットワーク』『はじめてみようSlack 使いこなすための31のヒント』、一般書では『システムの科学 第3版』『エニアック』『新・思考のための道具』『サヴォイ・カクテルブック』など、多くのロングセラー作品を取り扱っております。
関連リンク
- パーソナルメディア株式会社の書籍
- 『未来省』特設ページ
プレスリリース印刷用PDF
本リリースに関するお問い合わせ先
- パーソナルメディア株式会社 出版部
-
- 電話: 03-5749-4932
- E-mail: pub@personal-media.co.jp
- 超漢字はパーソナルメディア株式会社の商標です。
- TRONは、“The Real-time Operating system Nucleus”の略称です。
- TRON、T-Kernelは、コンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。
- 本資料に記載された書籍やコンテンツの内容、外観イメージ、価格などは、発表日現在のものです。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。